potokoの映画日記

主に映画感想ブログです。

「劇場」観たよ


『劇場』本予告映像

永田はずっと変わらない。
サキは年を重ねるごとに変わってゆく。

あらすじ

中学からの友人と立ち上げた劇団で脚本家兼演出家を担う永田。しかし、永田の作り上げる前衛的な作風は酷評され、客足も伸びず、ついに劇団員たちも永田を見放し、劇団は解散状態となってしまう。厳しい現実と理想とする演劇のはざまで悩む永田は、言いようのない孤独と戦っていた。そんなある日、永田は自分と同じスニーカーを履いている沙希を見かけ、彼女に声をかける。沙希は女優になる夢を抱いて上京し、服飾の大学に通っている学生だった。こうして2人の恋ははじまり、お金のない永田が沙希の部屋に転がり込む形で2人の生活がスタートする。沙希は自分の夢を重ねるかのように永田を応援し、永田も自分を理解し支えてくれる沙希を大切に思いながら、理想と現実と間を埋めるかのようにますます演劇にのめりこんでいく。

 

以下感想。

序盤のサキは明るくて素直で永田の1mmも面白くないボケにもよく笑う。少し頭の弱いところもあるが、理想的な彼女。

中盤から後半にかけてのサキは徐々に変わって行く。性格はクールに、永田のボケにも無反応。酒に溺れ精神が不安定に。あのかわいいサキはどこへ…と思ったらサキもう27!?そら変わるわ。
その原因は永田にある。序盤の永田はサキの家に転がり込み、生活費は一切出さず、優しいサキに甘えまくり。(光熱費の下りとか無茶苦茶すぎで引くわ…)ささいな事でキレる。
まさにクズ中のクズ。
でもそのクズを助長していたのがサキの存在。いつもニコニコして、文句のひとつも言わない。元からそういう性格なのか、もしくは永田が好きだからゆえ言えなかったのか…。
サキは、永田は天才だと事あるごとに告げる。
サキの評価と現実の冴えない自分とのギャップに苦しむ永田。一人暮らしを始め、家にほとんど来なくなる永田に苦しむサキ。
最初はダメな永田を支える献身的な彼女。
後半になり立場は逆転。心がボロボロになり精神不安定になったサキを懸命に守ろうとする永田。まさに共依存

もう延々と辛い映画ですが最後は割と爽やかな終わり方。
すっきりです。バッドエンドなんだけど考え方を変えればこれが二人にとって最良のエンドかもしれない。
あれ?サキちゃん急に顔面レベル落ちた?からの最後のあの演出は面白いです。どこの場面から創作だったんだろう。あるいは現実か。